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「イライラと肩凝り」の話【奈良市富雄の鍼灸院が解説】

当院へは日々さまざまな肩こりを抱えた方がいらっしゃいます。

中でも多いパターンが「イライラして肩が凝っている」というお客さんです。

なぜイライラすると肩が凝るのか、奈良の鍼灸師が答えをお教えします!

 

今回は巷でよく見かける西洋医学に基づいたものではなく、東洋医学に基づいた当院独自の視点も交えながらお話していきたいと思います。

限定された狭い話題ですが「あっこれ私のことだっ!」と、思い当たる方に届いてくれれば幸いです。

 

目次

「イライラと肩凝り」の話

最初に結論から言いましょう。
イライラして肩が凝っている人は「昔のお風呂」と同じ状態です。

昔は風呂釜の中の水の対流が悪く、お風呂を沸かした時点ではお湯の表面が熱湯で底が冷水という状態だったため、入る前に「湯かき棒」という先に板のついた棒で風呂のお湯をかき混ぜてから入っていたそうです。

イライラしている肩凝りのあなたの身体はまさにその状態なのですっ!
・・・って言われても意味が分かりませんよね???今からご説明します。
まず理解していただきたいのが「熱い空気は上に昇り、冷たい空気は下に下がる」という自然の原理、原則です。

当然人間の身体もこの神様が決めたルールに従うことになります。
人間の身体も本来なら「上(頭)に昇るほど熱く、下(足)に下がるほど冷たい」のですが、これでは健やかに過ごしていくためには具合が悪いのです。

ですので人間は「気の流れ」というものを体の中で作り「熱は頭から足へ下げることで頭はスッキリ、冷えは足から頭へ上げることで足はポカポカ」という上下の循環を生み出しているのです。

この上下の循環が正常な状態を表現したものが皆さんご存じの「頭寒足熱」という言葉です。
この頭寒足熱という上下の循環がうまく機能しなくなったひとつのサインが「肩凝り」であり、言ってみれば「頭熱足寒」というところでしょうか。

「イライラと肩凝り」の話を東洋医学で理解する

熱と冷えが上下の循環で回っているのは先ほどお話しましたが、この熱の理解のポイントになるのが「血」です。
採血の時などに注射器を触らせてもらうとよくわかるのですが、血はすごく温かいものです。

血が集まるとその部分は温かくなり、逆に血が少なくなるとその部分は冷えます。
そして血を説明するのに欠かせないのが「肝臓」の存在です。
東洋医学では肝(かん)と呼びます。

肝には血を集めて蓄えておくという働きと、気の流れを上に向けるという働きがあります。
肝に蓄えられた血が、肝の作りだした気の流れに乗って上へと昇っていきます。
こうして血が頭に集まることによって、精神と身体は緊張状態となり非常事態に迅速に対応できる状態になります。

しかし、これが過剰に起きると血(熱)が必要以上に頭に集まり「昔のお風呂状態」=「頭熱足寒」という、いわゆる「のぼせている」状態ですね。

それではいよいよ、何故のぼせていると肩が凝るのかという答えを発表していきましょう。

イライラすると頭に血が上って肩がこる

答えの前に身体における大前提として知っておかないといけないのは
「内臓は働く(動く)時には必ず血を必要とする」
ということです。

これはもちろん肝も例外ではありません。
イライラすると肝が、血を肝自身に集めようとする働きが活発になります。
なぜそんなことをする必要があるのか?

集めた血を頭(脳)により多く上らせることで頭(脳)の回転を良くするためです!
頭の回転を良くする為に普段蓄えている血の量より多くの血が必要になり、肝へ集まるわけです。
では、この集められた血はどこから来たのでしょうか、そう「肩」です。

肝からは気の通り道になる「経絡(けいらく)」が身体の様々な場所へ伸び、その経絡の中を気血(きけつ)が動き回っています。
その経絡の中の一つが肝から肩の周りに張り巡らされているのですが、答えを時系列で整理しましょう。


 イライラする
    ↓
 肝が働き、肝自身に血を集める
    ↓
 その時に血を肩から持ってくる
    ↓
 持っていかれた分の血が少なくなり、肩が凝る
    ↓
 肝が集めた気血が上り、頭の回転が良くなる=のぼせ

 
という図式になります。
今まで「あ~緊張して肩凝った」「勉強やパソコンで頭使った後に肩が凝った」と感じたことがある人は、このケースに当てはまっているわけですね。

肝が身体の右側に位置しており、まず近くにある右の肩から血を取られやすく、右の肩がより凝る傾向があります。

ではイライラと肩こりの解消法とは?

要するに、お湯をかき混ぜて風呂釜の表面と底の温度差をなくせばいいわけです。
我々治療家であれば、鍼で気を動かして引き下げることでのぼせを取ったり、取られた肩の血をマッサージなどで戻すことが出来ます。

しかしこれはあくまで応急処置であり、肩凝りが起こってからの対応になりますので、理想は肩凝り自体を起こらないようにすることで、当院ではこの予防を重視しています。

イライラや頭を使いすぎる事は、仕事などをされていたり性格上の問題で完全に防ぐことは出来ませんが、このタイプの肩凝りは、感情や考え方を意識してコントロールすることで、肩凝りの頻度や程度を軽減することは可能です。

ここからは当院で普段指導している方法をいくつかお教えします。

➀ぼ~っとする

ぼ~っとすることで頭の回転を抑え、肩から取られる血の量を減らしてあげることが目的です。
頭が回転している状態をONとすると、頭の回転が抑えられている状態がOFFです。

意図的にON/OFFスイッチの切り替えが出来るようになるとかなり肩凝りを軽減することが出来ます!
ではやり方ですが、ポイントはリラックスして体の力を抜くことです。

特にのぼせている顔の表情筋(目と顎)の力の抜き方を覚えて下さい。


➀まず目の力を抜いていきます。眉毛から上まぶた辺りの力を抜いて、目をあけたまま焦点を定めないようどこを見るともなくぼんやりと全体を見て下さい。
②次は口を「あ」の発音の時の形に軽く開けて、上下の唇が1cm程度開けっ放しになる状態になるまであごの力も抜きます。
③ここまで出来たら次は頭の中を真っ白にします。ここで目をつぶっていると頭の中に絵が浮かびやすくなるので目は開けたままがいいです。頭の中に白い紙をイメージするといいでしょう。


このOFFの状態をお風呂やトイレ中、電車の移動中などに意識して行うとある程度のぼせを下ろすことが出来ます。
のぼせがきつい人は肩凝りの他に、足が冷えたりふくらはぎがつったり、寝付きが悪くなる(不眠)などの症状が出ていることが多いので、OFFへの切り替えはこれらの症状にも効果が期待出来ます。

②良い意味で「良い加減」になる

➀は身体の力を抜く方法でしたが、②では心の力を抜く方法です。
イライラして肩凝りの人に現れやすい特徴があり、それは「完璧主義」です。
「時間に遅れてはいけない!」「失敗してはいけない!」という想いは自身にプレッシャーをかけてしまいます。

そうなると肝が必要以上に働くことによって余計な血が頭に上ることになり、その分肩の血が取られることになります。
それを緩和するために「良い加減」になることが必要なのです。

すこし考え方を変えて、例えば10個の用事や仕事があった時に、それを「やらないといけない!」ではなく、「出来たらうれしい」と思うだけでプレッシャーは軽くなります。
そして10個の仕事のうち7ぐらいが限度だった時に「7しか出来なかった↓」ではなく「7は出来た↑」と出来た事に意識を向けると達成感を感じやすくなります。

そして完璧にできなかった時に「まぁいいか!」と言うようにしてみてください。
仕事でそんな良い加減に出来ない!と思っている方に質問です。
「その完璧主義、プライベートでもやっていませんか?」

最後に

自分のミスは許せない!という人は相手のミスも許せない傾向があります。
ミスをした相手を許せないということは、自分がミスをした時に相手からも許されないことを意味します。

この考え方をゆるめないと「~でなければならない!」という想いにとらわれ自分で自分の首をしめてしまいます。
人ってそんなに完璧ですか?

一生懸命やっても時にミスをしたり、完璧にはいかないのが人間ではないでしょうか?
一生完璧なら神様ですし、一生ミスをしなかったら機械です。
少しずつでいいので、自分の不完全を認めて許してあげてください。

そうして少し、柔らかく考えられるようになる頃には、あなたの肩も同じぐらい柔らかくなっていることでしょう。
「身体は心の鏡」だから。

明日もあなたが健やかでありますように。

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