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【マッサージとツボ】意外と知らないツボの話をプロのマッサージ師が解説

こんにちは、五行鍼灸マッサージ治療院の松元です。

奈良市の富雄で東洋医学に心理学・脳科学を取り入れた独自の治療を行っています。

 

今回はこういったお悩みに答えていきます。

「マッサージとかでツボってよく聞くけど、結局ツボってなんなの?」

 

この記事を読むことで、意外とマッサージをする人間でも知らないツボの秘密を知ることができますよ。

ツボを正しく知ると、マッサージする時もされる時にも役立ちますので、興味のある方は最後まで読んでみてください。

 

14年のキャリアをもつツボのプロであるマッサージ師が、ツボに関する知識をわかりやすく解説します。

動画で解説しています!

 

目次

【マッサージとツボ】意外と知らないツボの話をプロのマッサージ師が解説

マッサージにツボは欠かせません。

一般的には「ツボ」と呼びますが、東洋医学用語では経穴(けいけつ)と呼びます。
東洋医学ではヒトの身体に、目には見えない経絡(けいらく)と呼ばれる通り道を、気血(きけつ)と呼ばれるエネルギーが川のように全身を流れていると考えています。

その経絡上に点在しているのが経穴=ツボなんです。
イメージしずらいという方のために車を使って説明します。


 ・車 = 気 

 ・人 = 血 

 ・道路 = 経絡


という感じでイメージしてもらうとわかりやすいと思います。

人は車に乗って、道路を走りますよね?
これを東洋医学で翻訳すると「気に乗った血(気血)が経絡をめぐっている」と言い換えることができます。

そして車で走っていると「ここの交差点いっつも渋滞してるな」っていう場所ありますよね?
その渋滞しやすい交差点や踏切などのポイントに名前を付けたものを「ツボ=経穴」と呼んでいるのです。

関節の辺りにはツボが多いのですが、これは関節は構造が複雑で経絡に気血が滞りやすいからです。
これは信号などが無い真っすぐな道より、合流などがある場所が渋滞しやすいのと同じですね。

経絡の気血の流れの悪くなっているポイント=ツボであり、マッサージには悪くなった気の流れをよくする効果があるんです。

マッサージ師とツボの関係

マッサージ=ツボと言えるくらい、ツボは良く知られた言葉です。

じゃあツボって見えますか?
14年プロとしてマッサージしている僕ですら、まだ見たことはありません。

それも当然の話で、ツボは見えないものなんです。
なぜなら「気」が目では見えないから。

気が見えないから、気の通り道の経絡もツボ見えないわけです。

ここで疑問に思われた方もいらっしゃるでしょう。
「なんで見えてないのに、気とか経絡・ツボなんて言葉が存在するの?」

それは❝見えないけど、実際に感じることが出来るから❞です。
慣れてくると、身体に触ることでツボを感じることが出来るようになります。
マッサージがツボにあたっていると、独特な感覚があるんですが体感すればすぐわかります。

上手なマッサージ師は、身体をさわると「ここツボだな」とすぐわかります。
細かく「このあたりがこってるんです!」と訴えなくても、さわればツボはすぐわかるので、マッサージを受けに行って上手なマッサージ師に当たると「この人わかってるな」と感じるはずです。
❝ツボがどのぐらいわかっているか❞が上手なマッサージ師を見分けるポイントになるわけですね。
ツボを外しているマッサージ師は、ツボがわかっていないということなので、はっきり言えば下手だということです。

足ツボマッサージが痛くないから健康は間違い!?

足ツボマッサージはテレビの罰ゲームの定番ですが、こんな光景見たことありませんか?
すごい力で足裏の胃のツボをマッサージされている2人がいて、Aさんはのたうち回り、Bさんは涼しい顔をしている。

では痛がっているAさんは病気で、涼しい顔をしているBさんは健康なのでしょうか?
実は「痛がっていないBさんの方が心配」というという可能性は十分ありえるのです。

なぜかと言うと、ツボは経絡を通じて内臓に繋がっていますので、胃の調子が下がると、その胃つながっている経絡上に異常があらわれるからです。

胃の調子が悪くなってくると、胃のツボをマッサージされた時の「感覚」にも異常をきたします。
軽い力でマッサージされただけで異常に痛く感じたり、逆に強くマッサージされているのに全く痛みを感じないこともあります。

そう考えると、強く押されて痛がっているAさんはある程度正常な感覚(調子は良い状態)といえます。
逆に強く押されているのに痛がっていないBさんのほうが感覚の異常(鈍感)があり、胃の調子に異常をきたしている可能性もあるわけです。

ツボは動くって知ってました?

画像を見てもらいたいのですが、紫の点が「合谷(ごうこく)」というツボです。
この紫の点が教科書的な合谷の場所なんですが、この合谷は体調によって茶色で囲んだ〇の範囲(100円~500円玉大)の中で動き回ります。

そして合谷は右手の同じ場所にも存在しており、左手に強く反応が現れたり、日によっては右手に現れたりと移動する場合もあります。
そう、ツボは動くんです!

さらに言えばツボの場所だけではなく、深さも動きます。
例えば「前回の治療の時は左の深いところにあった合谷が、今日は人差し指側に寄っていて、すこし浅いな」ということはよくあることです。
ツボは体調によって日々うごきまわっています。

この感覚をつかむにはある程度の熟練を要するため、上手な鍼灸師やマッサージ師ほど細かい変化をとらえてツボを使っています。
僕の感覚ですが、マッサージの時にツボが2ミリ程ずれるだけでかなり効果が落ちてしまいます。

素人の方が、自分でツボを見よう見マネで押してみてもあまり効果がないのは、ツボを外していることが原因です。

これがツボの難しさであり、面白さでもあり、プロとしての腕の見せ所になります。
同じ合谷をマッサージする場合でも、マッサージする人の腕(センス)によって効果にかなり差がでます。

Aさんの合谷を、BとCという2人のマッサージ師が押しても、効き方に差が出るということですね。

ツボをマッサージする時の注意点

ツボを強くマッサージするほど効く!は間違い

マッサージの時にツボを強く押せば押すほど効くと思っていませんか?
マッサージの強さは料理で言う塩加減と同じです。
「良い塩梅」という言葉どおり、料理によって塩をこれ以上入れると塩辛くなり、これ以下だと一味足りないという絶妙な量がありますよね?
マッサージでツボを押す強さもこれと全く同じです。
マッサージでツボを強く押すほど効果がある!と思っているのは、料理で塩を入れれば入れるほどおいしくなる!と勘違いしているのと同じなのです。
お客さんのその日の体調を見極め、最適な強さでマッサージ出来るかどうかもマッサージ師の腕のうちです。

気の流れのわるくなっているツボを下手にグイグイ押せば、逆に気の流れをわるくなり痛みがひどくなることもあります。
「塩やしょうゆなんてドバドバ入れとけばおいしくなるんですよ」なんて言ってる料理人がおいしい料理を作れるでしょうか?

長い時間、マッサージ受けた方が効く!も間違い

長くマッサージ受けた方が良くなると思っていませんか?
マッサージの長さを料理で例えるなら火の入れ加減と同じです。
お肉を焼くとき、焼けば焼くほどおいしくなっていくでしょうか?

じゃがいもを茹でるとき、茹でれば茹でるほどおいしくなっていくでしょうか?
お肉を焼きすぎると固くなったり、焦げたりしておいしさが半減してしまいますし、じゃがいもを茹ですぎれば煮崩れてボロボロになったり、せっかくの栄養やうま味がどんどん流れ出てしまいます。

食材によって最適な火の入れ加減を見極められる人が、おいしくて栄養のあるすばらしい料理を作れるのではないでしょうか?
料理人と同じように、お客さんのその日の体調や状態(ツボ)を見極め、最適なマッサージの強さや時間を提供できる人がすばらしいマッサージ師だとぼくは考えます。

マッサージとツボのまとめ

いかかがだったでしょうか?
鍼灸の世界では「ツボに始まりツボに終わる」という言葉があるくらいツボは奥が深いものです。
ツボは使い方によっては人を活かすことも殺すことも出来ます。

下手にツボを使うと余計に体調が悪くなったり、ひどいと病院送りになることもあります。
逆にツボをうまく使うと、まるで魔法のように痛みや苦しみから解放される感動を味わうこともできます。

覚えておいて下さい、ツボは恐ろしいものだということを。
そして苦しい時は思い出して下さい、ツボはあなたの人生を変えるかもしれないということを。


それでは今日はこの辺で。
明日もあなたが健やかでありますように。

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