マッサージは痛いほど効く!は間違いです【プロのマッサージ師が解説】
こんにちは、五行鍼灸マッサージ治療院の松元です。
奈良市の富雄で東洋医学に心理学・脳科学を取り入れた独自の治療を行っています。
突然ですが「マッサージは痛いほど効く!」と思っていませんか?
マッサージの強さは、受ける人のその日の体調によってベストな強さに加減する必要があります。
もし強く押せば押すほどが楽になるのなら、何も考えず思いっきり押せばいいので楽なんですが、そうもいかないんです。
今回はマッサージを受ける人にも、する人にも知っておいて欲しいお話ですので、臨床経験14年のプロのマッサージ師がわかりやすく解説します。
鍼灸あん摩マッサージ指圧師
奈良市富雄で自律神経専門の整体院を経営
今までに15年のキャリアと4万人以上を施術してきた経験をもつ
東洋医学を応用して体から性格や体質を読み取り、体や心の問題を根本から解決する整体を得意とする
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目次
- ○ マッサージは痛いほど効く!は間違いです
- ○ マッサージは痛いほど効く!が間違いな理由
- ○ マッサージが痛すぎると、かえって悪くすることも
- ○ 痛いマッサージをすることもありますが
- ○ マッサージは痛いほど効く!は間違いです!
マッサージは痛いほど効く!は間違いです
マッサージの時、強く押せば押すほど効くと思っていませんか?
マッサージの強さは料理で言う塩加減と同じです。
「良い塩梅」という言葉どおり、料理によって塩をこれ以上入れると塩辛くなり、これ以下だと一味足りないという絶妙な量がありますよね?
マッサージの強さもこれと全く同じです。
マッサージでツボを強く押すほど効果がある!と思っているのは、料理で塩を入れれば入れるほどおいしくなる!と勘違いしているのと同じなんです。
お客さんのその日の体調を見極め、最適な強さを見極められるのもマッサージ師の腕のうちです。
「塩やしょうゆなんてドバドバ入れとけばおいしくなるんですよっ!」なんて言ってる料理人さんが本当においしい料理を作れるでしょうか?
「痛いほど効く」という発想は、この料理人さんと同じです。
マッサージは痛いほど効く!が間違いな理由
マッサージについて1つ理解しておいて欲しいことがあります。
それは❝マッサージはすればするほど身体の負担になる❞ということ。
なぜならマッサージも「身体への刺激」だからです。
お風呂って気持ちいいですよね。
じゃあ、41度のお湯が気持ちいいからといって、お湯の温度を45度にしたらもっと気持ちいいですか?
15分つかったら温まるところ、2時間つかったらもっと温まりますか?
あまり熱いお風呂につかったり、長時間つかっていたりすると「お湯あたり」でのぼせてしんどくなったり、場合によっては熱が出たりすることもあります。
なぜならお湯の温度も身体に対して「温熱刺激」という刺激だからです。
マッサージも同じで、マッサージという機会刺激の強さや時間が多くなればなるほど、身体には負担がかかってしまいます。
ですから、その人の体質や、その日の体調によって強さや時間を加減することで、身体への負担を最小限におさえつつ、身体の不調を改善する必要があります。
マッサージは心地良いイメージがあり「刺激」という認識がしずらいです。
だから「強く痛いマッサージの方が効く!」と誤解してしまうのでしょう。
でもだからこそ誤解している人には「マッサージはすればするほど身体の負担になる」と認識してもらいたいと思います。
マッサージが痛すぎると、かえって悪くすることも
東洋医学では「気」という概念があります。
人の身体には目には見えない気の流れがあり、これがスムーズに流れていれば痛みなどの不快感がない健康な状態です。
しかし気の流れがさまざまな原因で悪くことで、身体が重い、痛いといった不快感を感じるようになります。
この気の流れの悪くなっている状態がいわゆる「こり」であり、この気の流れをスムーズにすることがマッサージの目的です。
マッサージを受けた後に身体がスッキリして軽く感じるのは、マッサージによって気の流れが良くなるからです。
ところが気の流れが悪くなってくると痛みの感覚が敏感になったり、逆に鈍くなったりすることがあります。
この傾向は、気の流れが悪くなればなるほどはっきりとあらわれます。
この時に「強い痛いマッサージのほうが効く!」という認識で、ただでさえ流れの悪い部分を必要以上にグイグイ押してしまうと、さらに気の流れを悪くしてしまうことで余計に痛くなり、調子をさらに崩してしまう可能性が高くなります。
東洋医学的にいえばお客さんの痛みを通じて、気の流れの状態のつかみ、最適な強さで刺激できるのが上手なマッサージ師といえるでしょう。
痛いマッサージをすることもありますが
もちろん身体の状態によっては、ある程度痛いマッサージする場合もあります。
しかし痛いのは、その痛みをとるための過程であって、痛がらせるのが目的ではありません。
マッサージを始めた時は、気の流れがかなり悪い状態で少し触っただけで痛いと感じたとします。
しかし力を加減しながら、うまく気の流れを良くしていけば、最後のほうには少し強く押しても心地いいというような状態になります。
わかりやすく数字化するとこんな流れが理想です。
↓
マッサージが進むにつれて気の流れがよくなり5の力加減でも最初ほど痛くなくなる
↓
最後には10の力加減でも心地よく感じる
気の流れが良くなっていけば、こういう感じで痛みが変化していきます。
それに合わせて力を加減してマッサージしていけば終わった後に気の流れがよくなり身体は軽く感じます。
しかし痛い方が効くからと最初から10の力でマッサージしてしまえば、お客さんは痛みに耐えられないでしょう。
仮に我慢して耐えたとしても終わったあとに余計調子が悪くなる可能性大です。
マッサージは痛いほど効く!は間違いです!
「マッサージは痛い方が効く!」というのは間違いだとわかってもらえたでしょうか?
しかしマッサージ自体が悪いわけではありません。
気の流れが悪い(体調が悪い)時に、それを良くする上手なマッサージを受ければ感動するぐらい身体は軽くなります。
これを読んでいるあなたにはぜひその感覚を味わって欲しいと思っていますし、そういうマッサージ師と出会って欲しいと願っています。
また、あなたがマッサージをする側の人であるなら、そんな感動を味あわせることの出来る人であって欲しいと思います。
マッサージをする側もされる側もマッサージを正しく理解して、お互い信頼関係を築くことができれば、マッサージはより素晴らしいものになるでしょう。
このブログが少しでもその助けになれば幸いです。
それでは今日はこの辺で。
明日もあなたが健やかでありますように。