ストレスによる食いしばりは歯痛の原因。対策を心と体のプロが解説
こんにちは、五行鍼灸マッサージ治療院の松元です。
奈良市の富雄で東洋医学に心理学・脳科学を取り入れた独自の治療を行っています。
今回は、こんなお悩みに答えていきます。
「ストレスで食いしばりがでてあごが痛い。歯痛があったり歯茎が腫れたりするときもあるから何とかしたい」
✔️この記事を読むメリット
ストレスによる食いしばりがでてしまう理由や対策を知ることができます。
14年の鍼灸とマッサージ治療を通じて、色んな症状で苦しむ患者さんをみてきた経験と東洋医学の観点から解説します。
鍼灸あん摩マッサージ指圧師
奈良市富雄で自律神経専門の整体院を経営
今までに15年のキャリアと4万人以上を施術してきた経験をもつ
東洋医学を応用して体から性格や体質を読み取り、体や心の問題を根本から解決する整体を得意とする
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目次
- ○ ストレスによる食いしばりは歯痛やあごの痛みの原因
- ○ ストレスで食いしばり(歯痛)がでる原因は?
- ○ ストレスによる食いしばり(歯痛)対策「頭の血を下ろす」
- ・食いしばりに関係する、もう1つの肝臓の働き
- ・頭の血を下ろすには?
- ・頭に血が上っていませんでしたか?
- ○ ストレスによる食いしばり(歯痛)は体からのメッセージ
- ・肩に力、入ってますよ?
- ・メッセージを受け入れるか、入れないかはあなた次第です
ストレスによる食いしばりは歯痛やあごの痛みの原因
ストレスによる食いしばりは、歯や歯茎、顎の関節や筋肉などに負担をかけます。
なぜなら、食いしばる(噛む)力が強いからです。
噛む力は、成人男性なら60〜70kgと自分の体重分ぐらいの力があると言われています。
食いしばることで、硬い歯がやわらかい歯茎に60kgの力で押しつけられるわけです。
その結果、歯茎に負担がかかることで炎症がおきると歯痛をおこします。
食いしばりは、寝ている時や何か考えている時などストレスを感じている時、本人の意思とは無意識にででてしまうことがよくあります。
長時間の食いしばりは顎の筋肉に力がかかり続け、疲労が蓄積し炎症がおこってくると痛みを感じるのです。
実際、食いしばりの患者さんの顎の筋肉を触ると、かなりこっていることが多々あります。
歯茎やアゴの筋肉に炎症がおき、ひどくなると歯茎が腫れたり、顎が開けなくなったりすることもあります。
食いしばりがきつい場合は、歯にも負担がかかって欠けたり、割れてしまうケースも。
長時間の食いしばりで、顎の筋肉や歯茎などに負担がかかり続けることで歯痛やあごの痛みがおきてしまうのです。
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ストレスで食いしばり(歯痛)がでる原因は?
ストレスで食いしばり(歯痛)がでる原因は肝臓の働きにあります。
まずストレスと肝臓の関係から解説しますね。
東洋医学では「感情は内臓に宿っていて感情が動くことで、感情を宿している内臓(身体)に影響を及ぼす」と考えます。
すこしわかりにくい方は、鳥の卵をイメージしてもらうといいかもしれません。
卵の中にヒナが入っていて、生まれてくる時にヒナが動くと卵も動きますよね?
肝臓という内臓の中に“怒り”という感情がやどっていて、怒りによって肝臓が影響を受ける。
怒りというストレスと肝臓にはこんな関係があるのです。
つづいて、ストレスによる食いしばりに重要な肝臓の働きについて解説します。
肝臓には「筋肉をコントロール(支配)する」という役割があります。
例えば、「あれもしないといけないし、これしないといけない!」と過剰にイライラ(怒り)していると肝臓に負担がかかります。
ストレス(怒り)で、肝臓の筋肉をコントロールがうまくいかないと、筋肉に過度な緊張があらわれます。
食いしばりは、あごの筋肉の力加減(コントロール)がうまくできず、寝ている時まで無意識に力が入ってしまっている状態なのです。
ちなみにですが、緊張で体が動かなくなったり、うまく話せなくなったりしますよね?
これも緊張というストレスによって肝臓に負担がかかり、筋肉(声帯)のコントロールがうまくいかなくなるのが原因です。
怒りというストレスの強さや長さに比例して、この2つは増えていきます
・食いしばりの強さ
・食いしばりの時間
怒り(ストレス)が強いほど、食いしばりは強く、長くなり、歯痛やアゴの痛みがおきる可能性も高くなります。
ストレスと食いしばりには、肝臓の「筋肉をコントロールする」という働きが深く関わっているということですね。
体が思い通りに動かないイップス、心のコントロールが大切です。くわしく解説します
ストレスによる食いしばり(歯痛)対策「頭の血を下ろす」
食いしばりに関係する、もう1つの肝臓の働き
じつは肝臓にはもう1つ、食いしばり(歯痛)に関係する働きがあります。
肝臓は、筋肉のコントロールの他に「頭に血を上らせる」という働きももっています。
ストレス(焦りやイライラ)が肝臓を刺激すると、肝臓の働きによって頭に血が上ります。
これは脳に血を集中させることで、脳の働きを活発にするためです。
この状態になると、普段は気付かない細かい情報(音や気配など)にも気付くようになるんですが、その情報がストレスの原因になることも。
するとストレスを感じてイライラし、またストレスになる情報に気付いてしまうという悪循環を生み出してしまいます。
頭から血が下りないと、寝付きが悪くなったり、眠れたとしても眠りが浅くなるので、寝てもなかなか疲れがとれません。
これがまたストレスになり、寝ている時の食いしばりや歯痛を生んでしまいます。
ストレスがストレスを生んでいる、そんな悪循環に陥ってしまうのです。
頭の血を下ろすには?
ストレスがストレスを生むような悪循環を避けるには、頭の血を下ろすことが必要です。
頭の血を下ろすコツは“何も考えない”ことです。
1日の中で、全く何も考えない時間を意識的に作ってみましょう。
・トイレやお風呂の時間
・電車などの移動時間
・プライベートな時間
どこを見るでもなく、何を考えるわけでもなく、ただ頭の中を真っ白にして時を過ごす。
あごの力を抜いて、口を開け「ぼ〜」っとしてみてください。
こうして肝臓や頭を休めて頭の血を下ろしてあげる時間が、頭に血が上っている時には必要なのです。
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頭に血が上っていませんでしたか?
今、食いしばりや歯痛に悩んでいる人は自分の普段の生活を振り返ってみてください。
1日の中で、気持ちが穏やかで安らかな気分の時間をしっかり確保できていたでしょうか?
頭に血が上っていると、脳が活発に動くので次から次に考えが浮かんできて
「あれもして、これもしないといけない」
こんな思考になりやすい傾向があります。
頭に血が上っている時間が長いと
・早くしないといけない
・失敗してはいけない
・ああなったらどうしよう
・こうあるべき
常にこんな感じのことを常に考えてしまい、余計に頭に血を上らせてしまいます。
今まで上のように考えていた時間を、次の言葉におきかえてみてください。
・まあいいか
・なんとかなる
・大丈夫
これらの言葉は心の安定を生みやすく頭の血が下りやすくなります。
なるべくたくさん、頭にうかべたり口に出したりすることで肝臓の負担が減ります。
毎日少しずつ、意識する時間を増やしていくと、あごの筋肉のコントロール(力加減)が安定してきます。
ストレスによる食いしばり(歯痛)は体からのメッセージ
肩に力、入ってますよ?
「肩に力が入る」って言いますが、これは体だけじゃなく心の状態もさす言葉です。
ストレスによる食いしばりや歯痛はまさに「肩に力が入っている」状態です。
東洋医学には心と身体はお互いに影響し合っていると「心身相関(しんしんそうかん)」という言葉があります。
心の状態は身体へ、身体の状態は心へとお互いの状態が合わせ鏡のようにお互いにうつし出されるのです
体に力が入り過ぎるのは、心に力が入り過ぎているあらわれです。
家でリラックスしている時は、体の力が抜けてダラ〜っとなりますよね?
心の力がぬけたから、体の力もぬけたわけです。
表情をおだやかにしていると、心もおだやかになってきます。
体の力をぬいたから、心の力もぬけたわけです。
アゴや歯茎(体)が痛い、苦しいということは、心(ストレス)が苦しいのと同じことです。
ストレスに弱いなら、ストレスを減らしてみませんか?その方法を解説します
メッセージを受け入れるか、入れないかはあなた次第です
ストレスによる食いしばり(歯痛)は、言ってみれば体からの「心が苦しいからストレスを減らして」というメッセージです。
体は痛みや不快感という形で無言のメッセージをあなたに送ります。
僕たち治療家にできるのは、その体からのメッセージををあなたに伝え、選択肢を提案すること。
その選択を知ったあと、どういう選択をするかはあなたが決めることです。
・痛みの原因を知って、それを避ける行動をとる
・痛みの原因を知って、それでもその行動をとり続ける
どちらを選ぶのもあなたの自由ですし、あなたはその選択通りの人生を歩むことになります。
このブログがあなたの選択の参考になれば幸いです。
あなたの人生が素晴らしいものになることを願っています。
それでは今日はこのへんで。
明日もあなたがすこやかでありますように。