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針治療に副作用はない?そんなことはありません。【奈良市の鍼灸院】

針治療にも副作用があることを知っていますか?

西洋医学の薬には副作用があることは知られています。

 

一方「針治療には副作用がない」と言われることがあるのですが、そんなことはありません。

今回は鍼灸師が、針治療に関する疑問「副作用」について解説します。

 

何かと誤解されやすい鍼灸ですが、短所も長所も正しく理解して針治療を受けるか受けないかの参考にしてみてください。

 

目次

針治療に副作用はない?そんなことはありません。

針治療にも副作用はあり、その副作用は鍼灸師の腕に左右されます。
そして実は、上手な鍼灸師ほど副作用は大きくなるんです。

その理由を次で解説していきます。

副作用を出してしまう鍼治療とは?

鍼灸の副作用は「中工の害」という言葉で言い現れています。
中途半端に上手な鍼灸師ほど、患者さんに害を及ぼすという意味です。

鍼灸の世界では


 ・上手な鍼灸師を上工(じょうこう)
 ・下手な鍼灸師を下工(げこう)
 ・その中間を中工(ちゅうこう)


と呼ぶことがあります。
ではなぜ真ん中の中工が患者さんの害になるのでしょうか?

下工は未熟ゆえに鍼などでツボの効果を引き出せる技術を十分にそなえていません。
良くも出来ない代わりに悪くもできないのです。

逆に上工ほどツボの効果を引き出せるので、大きな効果を出せる代わりに、大きく悪くすることも出来てしまいます。
最初に、上手な鍼灸師ほど副作用が大きくなると言ったのはこういう理由があるからです。

上工は自分の鍼治療の副作用が大きいことを知っているので、同時に副作用を最小限に抑える方法も心得ています。

一方で中工は、ある程度ツボの効果を引き出せるので、針治療の効果もある程度大きくなっています。
しかし副作用を抑える方法を知らないために、患者さんに対して針治療の効果と同時に副作用も大きく与えてしまうことがあります。


これを昔から鍼灸の世界では「中工の害」と呼び、現代でもいましめています。

針治療の副作用のイメージ

針治療と副作用のイメージはこんな感じです。

地面に対して直角に棒が立っている、この状態を健康。
この棒が傾けば傾くほど不調(病気)だとイメージしてみてください。

針治療は、この傾いた棒をもとの直角な状態にもどす作業だといえます。
鍼灸師には、この棒がどの方向に、どのぐらい傾いているかを見極める能力と傾いている棒をどのぐらい戻せるかという能力の2つが必要です。

これを先ほどの上工や下工にあてはめてみましょう。

 ・下工ー傾きの方向や程度がわかっておらず、傾きを戻せる能力が低い
 ・中工ー傾きを戻せる能力はある程度高いが、傾きの方向や程度を把握する能力が低い
 ・上工ー傾きの方向や程度を把握できていて、傾きを戻せる能力も高い

例えば棒が左に45度傾いている患者さんがいたとしましょう。
上工は「左に45度傾いている」と正確に把握して、右に45度戻す針治療も出来るので棒は真ん中に戻り、調子も良い状態(健康)に戻ります。

しかし棒が傾いている方向を「右に傾いている」と見誤り、右に傾ける間違った針治療をすれば棒の傾きはさらに大きくなり、余計に体調を崩してしまいます。
この棒の傾きを大きくしてしまうことが、針治療の副作用といえるでしょう。

下工は傾きの方向や程度を見誤ったとしても、傾けられる力も弱いので間違った治療をしたとしても、大きく調子を崩しにくい。
一方、中工は棒を傾けられる力を中途半端に持っているため、間違った針治療をすると傾きを大きくしてしまうことがあります。

鍼灸師の腕によって効果や副作用が変わるのは、実はこういうカラクリはあるからなんですね。

医学の効果と副作用、どちらも理解しましょう

ストレス 甘い物

もちろん上工は、中工よりさらに棒の傾きを戻す力は大きいので、戻し過ぎてしまう可能性はあります。
しかし、それをわきまえているからこそ上工なのです。

鍼灸師は針治療や灸をすることだけが仕事ではありません。
自分にどれだけ棒の傾きを戻す能力があるか自覚し、最初に棒の傾きの方向や程度を正確に理解することが重要です。

自分の治療できる範疇をこえていれば、もっと上手な鍼灸師を紹介したり西洋医学を紹介したりする場合もあります。

西洋医学の薬には作用も副作用も両方あります。
薬には副作用があって、東洋医学や鍼にはないなどと都合のよいことはありません。

両方の医学の長所も短所も理解して、信頼できるところを見つけてください。
西洋医学も東洋医学も、あなたの身体の悩みを解決するために存在するのですから。

鍼治療には効果も副作用もあります

ストレス 免疫力 関係

針治療には効果も副作用もありますが、治療する鍼灸師の腕によって大きくも小さくもなります。
もちろんすべての鍼灸師が上手なわけではありませんし、正直下手な鍼灸師もいます。

しかし誰でも下工からスタートし、中工という壁を乗り越えて上工になっていきます。
おそらくこれは鍼灸師に限らず、お医者さんでも同じなのではないでしょうか?

もし鍼灸師やお医者さんが「自分の治療は完璧だ」と満足してしまったら、その人はそこから上達(成長)することはないでしょう。
「自分の治療はまだ未熟な部分がある」

そう自覚しているからこそ、よりよい治療をもとめて勉強し、自分の腕をみがくのだと思います。
あなたが身体のことで困った時に、助けられるような上工を目指して。

それでは今日はこの辺で。
明日もあなたが健やかでありますように。

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